No.12 原作未完のアニメ 




 主に原作がマンガや小説のものになるのですが、まだ作品が完結していないのにアニメ化されることってよくありますよね。別にそれ自体はいいんですが、問題はアニメの終わらせ方ですよ。一般的なアニメは最初から放映期間と話数が決まっているので、どうしても原作未完の段階で終わらせる必要も出てくるのです。
 こういった原作未完アニメというのは、ラストが幾つかのパターンで分けられると思います。

 まず、パターン1…名付けてぶった切り法
 ある意味、これはもう正々堂々としていますよ。その段階で作品を終わらせることは不可能と考え、話の途中だろうがなんだろうが強引に終了させる…視聴者からすれば堪ったものではありませんが、納得する他は無いんですよね。原作も終わって無いし、これはもうしょうがないかって。
 最近の未完作品はこの手法が多分一番多いですね。製作側からしても続編が作りやすい、ラストを悩まなくてもいいという利点があるので、好んで使われることが多くなっているのだと思います。

 そして、このぶった切り法はさらに細かく2つに分けることが出来ます。
 1つは区切り終了…これは、物語自体は終わっていないけど、その中の1エピソードを消化した時点で終了させるというケースです。まあ、一応の区切りみたいのは付けてくれるので、視聴者からはそれほど反感を買わないという特徴が挙げられます。
 例を挙げると、フルメタル・パニック灼眼のシャナゼロの使い魔、等がこの手法を取っています。

 もう1つは打ち切り終了…別に本当に打ち切りになったというわけでは無いのですが、それに近いくらいに唐突な終わり方をしているものです。明らかに区切りが悪く、何でこんなところで終わるんだ?と反感を買い易いです。これでもし続編とかが無かったら、最悪のケースですね。
 例を挙げると、彼氏彼女の事情パンプキンシザーズ、女神候補生、等がこの手法を取っています。

 そして、パターン2…オリジナル法
 原作の流れから大きく反れて、アニメオリジナルの展開にもって行き、未完のはずの物語を完全に終了させてしまう手法です。ただ、はっきり言ってこれは大博打です。全ては製作側の腕次第であり、上手くいけば大きく賞賛されることもあるのですが、大抵の場合は原作レイプと罵られて評判はすこぶる悪くなります。まあ、何とか終わらせてくれようとするその心意気は買いますが、リスクが大きいので危険な手法なんです。
 例を挙げると、プラネテス鋼の錬金術師GANTZ、等がこの手法を取っています。

 最後に、パターン3…エンドレス法
 特に、ギャグ系の作品に多いのですが、一騒動あったけど結局元鞘に戻って、いつもの日常に戻るというやつです。まあ、無難な終わり方ですね。これも続編は作りやすいし、反感を買うこともまず無いだろうと思います。
 例を挙げると、スクールランブル桜欄高校ホスト部ヤマトナデシコ七変化、等がこの手法を取っています。

 さて、幾つかのパターンを挙げてみましたが、ぶっちゃけどれが一番いい終わらせ方なんでしょうね?

 無難なのは、ぶった切り法(区切り終了)かエンドレス法でしょう。ファンもそれなりに納得すると思います。けど、それだといまいち情緒が無いのも事実…それに、今後続編が作られるかどうかも分からないのに中途半端に終わってしまうのは、原作未読者からすればすっきり出来ません。
 ですから、オリジナル法で冒険するってのも十分選択肢の一つに成り得ると思います。まあ、この手法をよく使うGONZOは原作ファンから叩かれていることも多いようですが、全てはやりよう次第でしょう。プラネテス、ハガレンは上手くいってるんだから、作り手次第では成功の可能性もあるんです。
 それに、この手法は原作既読者も新鮮な気持ちで作品を見られるという利点もあります。一つのアニメ作品として良いラストを生み出すためには、原作から外れてしまうのも決して悪いことだけでは無いと思います。

 とまあ、私はそんな風に思っているのですが、世間の人達はどう思ってるんでしょうね?原作無視してキッチリ終わらせるか…原作からはみ出さず中途半端に終わらせるか…どちらがいいとは一概に言い切れず、正直これは難しいところだと思います。



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