うたわれるもの
2006年 全26話
作品解説 | ||
仮面の男ハクオロは、大怪我をして倒れていたところをエルルゥによって助けられる。記憶を失っている彼ではあったが、仲間達からの信頼も厚くなっていき、やがて反乱軍の中心人物へとなっていくのであった。 原作がギャルゲーで女性キャラが多いので、軟派な雰囲気の作品かと思いきや、中身はシリアスな本格派戦乱物語であり、なかなか面白かったです。キャラクター数も多いのですが、そのそれぞれに個性があっていい感じに仕上がっていました。 物語は、主人公ハクオロが圧政に苦しむ村を藩主から開放するために立ち上がるというところから始まり、それが国そのものを相手にする戦いへと繋がっていき、さらにそこから他国との争いにまで発展していくという、徐々にスケールが大きくなっていく形で描かれていきます。そしてラストは、神と世界そのものの成り立ちに関する謎へと迫っていき、まさに壮大な話で締めくくられることになります。 ただ、そのラスト付近の内容がこれまでの世界観から大幅に逸脱したものであり、視聴者をおいてけぼりにした強引なものに感じられました。そもそも、剣と魔法の世界にいきなりロボットもどきが出てこられてもねぇ…世界観は崩壊だし、パワーバランスも崩壊。これまで積み重ねてきたものは何だったんだ?って感じですよ。 話の流れも物凄い超展開になっていて、個人的にもラストの盛り上がりについていきにくかったかな…という印象があります。決して悪いものというわけではないのですが、説明も少ないまま何か色々飛躍しすぎたせいで、少々ポカーンとなってしまいましたね。全体的にはいい感じに仕上がっているのですが、そこだけがちょっと引っ掛かりました。 ちなみに、初め私はあんまりこの作品を見るつもりはなかったんですけど、インターネットラジオ音泉で配信されてる「うたわれるものらじお」の影響で、めっちゃ見たくなってしまいました。このラジオはなかなかに面白いです。世間でも、ラジオを楽しく聞くためにアニメを見るという珍しい逆転現象が起きたそうです。(うたらじについては、こちらで詳しく語っています) |
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主な登場人物と名言(?) | ||||||||||||||||||||||||||
・ハクオロ 「その子は自分の恩人であり…家族だ」 仮面の男。しかも記憶喪失であって、自分が何故仮面をしているのかも分かってません(仮面は自分の意志で取れないのです)。しかし、かなり聡明な人物であって、その頭脳を生かした作戦で次々と敵軍を撃破していきます。つーか、こいつの武器が鉄の扇って…そんなん使ってる奴を見たのは、マーニャ(DQ4)以来だよ! ・エルルゥ 「辺境の女は強いんですから」 ハクオロの本妻(笑)。芯の強い子であり、どんな時でもハクオロのことを信じて、彼に付き添っていきます。基本的には良妻って感じなんですが、怒らせるとマジ怖いです。特にハクオロさんがおイタをしようものなら…(まるで、中の人達の人間関係のようだw) ・アルルゥ 「おと〜さんといっしょ」 エルルゥの妹。人見知りが激しく、初めはハクオロを警戒してましたが、そのうちに「おと〜さん」と懐いてきます。そんな彼女は、めっさかわいい!なんというか…父性が目覚めます(爆)。ムックルというトラ(?)を飼い慣らして戦う姿は、まさに猛獣使い。しかし、ムックルのあの異常な成長速度は何なんだ…(汗) ・オボロ 「ならばこの命、あんたに捧げるのが道理」 ハクオロ組の突撃隊長。二刀流の使い手であり、身体能力の高い戦士です。何処かぶっきらぼうにも見えますが、基本は妹思いのいい兄です。ベナウィに対してライバル心を燃やしております。 ・ユズハ 「ユズハもお星様になれますか?」 オボロの妹。体が弱く、小さい頃から寝たきりで過ごしています。ちなみに、アニメ版はハクオロがアルルゥ一筋な設定なので、ゲーム版とは違ってエピローグで救いが無い… ・ベナウィ 「私にはこの国と運命を共にする義務があるのです」 インカラ皇に使える騎士。オボロを手玉に取るほどに強いのですが、皇の悪政に苦悩していて迷いも持っています。ハクオロが皇になってからは、彼の補佐を務めていました。戦いだけでなく、色々万能に使える優秀な人材ですね。 ・クロウ 「心置きなく、暴れまわってやりますか」 ベナウィの部下であり、腕利きの武将。戦うのが好きで豪快な性格ですが、大将(ベナウィ)、総大将(ハクオロ)に対する義は厚く、なかなかの忠誠心を見せています。 ・ウルトリィ 「あなたは心のままに生きていいんです」 オンカミヤムカイ(…言いづらい)の第一皇女。この人達の一族は、背中に白い羽が生えています。中盤まではいまいち目立っていないという印象でしたが、ただの戦士があまり役に立たなくなってきた終盤では、彼女だけが果たせる役目というものが色々と出てきて、かなり活躍を見せていました。 ・カミュ 「カミュね…皆と違うんだ」 ウルトリィの妹の第二皇女。元気な明るい子で、アルルゥやユズハと仲良しになって遊んでいました。ちなみに、彼女は始祖の力を色濃く受け継いでいるようで、黒い羽を持っています。物語終盤では、その始祖の力が目覚め… ・カルラ 「私の全てを差し上げます」 ハクオロの国に流れ着いた奴隷剣士。酒をこよなく愛する、とんでもない馬鹿力の持ち主です。つーわけで戦闘では頼りになる存在でしたね。実は、ある亡国の姫様であったりもします。 ・トウカ 「義は我にあり」 義によってのみ行動するという、誇り高きエヴェンクルガ族の女性。エヴェンクルガは武の資質に恵まれていると言われるだけあって、彼女もかなり強いです。真面目で実直な性格であり、まさに武士って感じですね。しかし、普段の彼女からは想像出来ないような可愛らしい面を見せる時も… ・ヌワンギ 「あいつが現れてから何もかも…」 エルルゥの幼馴染。昔は優しかったらしいのですが、藩主である父親の元に戻ってからは性格が歪んだようで、今は只のチンピラですね。こいつの性格の悪さと小者っぷりは、まさに序盤の悪役にふさわしいって感じです。 ・ニウェ 「クァーッカッカッカッカッ…クァーッカッカッカッカッ…」 三大強国の一つ、シケリペチムの皇。よく馬鹿笑いしてました(笑)。ハクオロの中に眠る獣の存在に気付き、それを見るために何度もちょっかいをかけてくるという、戦闘狂の迷惑なじいさんです。繋ぎ役の中ボスとしての役割は見事に果たしていましたね。 ・クーヤ 「これが余の皇としてのけじめだ!」 三大強国の一つ、クンネカムンの幼き女皇。ハクオロに興味を持った彼女は、ゲンジマルをお供にお忍びで会いに来て、それ以来何度か密会してました。後半、この国が出てきた辺りから作品の色が変化し始めたっつーか、世界観のバランスが崩壊し始めたというか…剣と魔法で戦うファンタジー一辺倒だった世界にロボット兵器みたいなものが登場しましたからねぇ。一般兵士はおろか、ハクオロ組の猛者達でもまったく太刀打ち出来ず、そりゃあ反則だろ〜って感じでした。 ・ゲンジマル 「某にはまだやることがありましてな」 エヴェンクルガ族。ということで、この人も武人です。多分、『人』ではこの世界で最強の戦闘力の持ち主ですね。具体的にどのくらい強いかといえば、おそらくGガン世界で言うマスターアジアくらいではないかと(笑)。生身の状態でロボットもどきを破壊してましたからねえ。 ・ディー 「私は私だ。それ以上のものではない」 色んな国で暗躍する謎の人物。白い翼を持っているので、ウルトリィ達の国オンカミヤムカイに関係した人物のようなのですが… この作品のキャラはハクオロのことを独自の呼び名で呼んでいるので、それをまとめてみました。ここまで色んな呼び名があるのはこいつくらいじゃないのか?
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