蒼き流星SPTレイズナー
1985年 全38話


評価 60点

作品解説


火星へと進出した人類の前に、謎の機動兵器が現れる。それに乗っていたのはエイジという異星人の少年であり、彼は地球がグラトスという星に狙われていると告げるのだった。


この作品は、前半と後半で大きく作風が変わります。
まず前半…未知なる敵グラトス人の脅威を知った火星の少年少女達は、地球の危機を伝えるためにエイジと共に火星を脱出します。言ってみれば逃亡劇ですね。次々と現れる敵を退けながら、地球を目指すというどっかで見たことあるような展開です。ただまあ、作中から醸し出される緊迫感やエイジと地球人が理解を深めていくところは良かったと思います。
そして後半…ここからこの作品の暴走が始まります。途中経過すっ飛ばして、地球はグラトスに侵略されちゃったっていう設定で始まるのですが、その世界観ときたら何処の世紀末救世主伝説だよ!っていうほどの凄まじいものでした。
いや〜ぶったまげましたね。街に現れた荒くれ兵隊相手に、エイジが拳法を使って戦う姿には(笑)。最初っからそういうテイストだったGガンダムなんかとは違い、これまでそういう雰囲気はまったく匂わせていなかっただけにほんと驚きました。前半で登場した全てのメインキャラに世紀末アレンジが加えられ、そのまんま「北斗の拳」に出られそうなデザインでしたし…(汗)。いやはや、この作品は一体何所を目指しているんだ?って感じでしたよ。
パッと見のイメージとしては、エイジ=ケンシロウ、アンナ=リン、デビッド=バット、シモーヌ=マミヤ、ジュリア=ユリア、ゴステロ=ジャギ、ル・カイン=シンを彷彿とさせられましたね。つか、これで一体どんなロボットアニメが出来上がるんだよ!?
とまあ愉快な設定のこの作品、ネタとして見る分には面白いんだけど、純粋な内容はいまひとつでしたね。特にラスト…途中打ち切りのためかなり強引に終わっています。なにせ、第37話とラストの第38話がキチンと繋がってないくらいですから。一応、この間の部分は後に発売されたOVAで補完されることになりますが…。
とりあえず、ゴステロのいかれっぷりは見所の一つに挙げておきましょうw



主な登場人物と名言(?)

・アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ 「レイ、V-MAX発動!」
 地球人とグラトス人との間に生まれたハーフ。グラトスの侵略を伝えるために地球人に接触するのですが、それはかつての仲間である先輩や実の姉を敵に回して戦うという悲劇に繋がるのでした。1部ラストで、地球に侵攻せんとするグラトスの大部隊へ突撃して行方不明になるのですが、3年後たくましくなって仲間の元へと帰ってきます。そう、ここにもう一つの世紀末救世主伝説が幕を開けるのでした(爆)

・アンナ・ステファニー 「敗北するのが分かっているのに、人の命を奪い合うことに意味があるのかしら」
 小動物系の小さくてかわいらしい少女。皆がエイジのことを不審がる中、彼女だけは最初の方から彼を信頼していたように見えました。後半はレジスタンスの一員としてグラトス軍に立ち向かいます。

・デビッド・ラザフォード 「もし、奇跡が起こせないとしても、同じ空で一緒に死ねるんなら本望だ」
 初めはグラトス人のエイジを憎んでいましたが、次第に彼のことを認めて共に戦うようになります。地球人では初のSPTパイロットとして戦っていましたが、後半はレジスタンスのリーダーとして生身でも頑張ってます。

・シモーヌ・ルフラン 「駄目ー!!行っちゃ駄目よ」
 密かにお嬢様。エイジに好意を寄せていましたが、彼とアンナの仲に気付いて…。

・ロアン・デミトリッヒ 「私は地球人なのです」
 デビットと共にSPTで戦う地球人。しかし、後半はグラトス軍に仕え、アンナやデビッド達レジスタンスの敵となります。彼の能力は高く、ル・カインに「貴様がスパイなら恐ろしい存在」と言わしめたほどです。大抵こういうキャラって、情報を得たらすぐに味方の下へと戻っていくものですが、彼の場合はなかなか徹底してましたね。

・アーサー・カミングスJr. 「僕は信じてるぞ。信じてるぞーーー」
 一応仲間内では年長者ですが、一番頼りなく使えない奴です。後半はヒゲなんぞ生やし、グラトス軍の下働きとして従事してます。けど、こっちはロアンと違って分かり易いスパイでしたね。

・アルバトロ・ミル・ジュリア・アスカ 「姉として、反逆者の弟の始末はつけます」
 エイジの姉にしてゲイルの婚約者。他にもゴステロやル・カインからも好意を寄せられ、この姉ちゃんはモテモテですな。前半はエイジを倒すために彼の前に現れますが、後半からはグラトス、地球の共存を訴える「クスコの聖女」として物語のキーパーソンとなります。えと…その活躍ぶりからも、多分この作品の真のヒロインはこの人なんじゃないかと。アンナはただ居るだけって感じですし…(汗)

・アーマス・ゲイル 「何故俺を苦しめる」
 エイジのよき先輩。しかし、彼が地球側へと身を寄せることになったため、図らずも二人は敵同士になってしまいます。彼との戦いにおいて、レイズナーのV‐MAX機能が発動することになります。

・ゴステロ 「脳がはちきれそうだぜぇ!」
 レイズナーの名物男。ある意味、不死身とも言えるこのキ*ガイは、回が進むごとにどんどん異常性が増していきます。サイボーグ化した後、自分の腕を飛ばしていたのが印象的です。もうこいつは人間じゃねーよ(汗)。PSゲーム「新スーパーロボット大戦」で、こいつとデビルガンダムが真のラスボスとして出てきたのは驚きました。印象度はともかく、そんな大それたキャラじゃあないですからね。

・ル・カイン 「私は帰ってくるぞ、必ず!」

 不遜な独裁者。黄金の機体ザカールを駆り、V‐MAXレッドパワーでレイズナーを撃破します。けど、精神的にはちょっと脆いとこがあるようですね。終盤では情けないところを見せてました。



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