イヴの時間
2008年 全6話


評価 80点

作品解説


アンドロイドが実用化されて間もない時代。リクオは自家用アンドロイド・サミィの行動記録の中に、命令した覚えのない行動を発見する。


1話15分(最終話のみ30分)の全6話という短い作品でしたが、なかなか濃い内容に感じました。
テーマは人間とアンドロイドの在り方。まあ、この手の話は昔からあって、既に色々やっていると思います。ただ、この作品ではテーマに対する明確な解答を出すというよりも、両者の何処か優しい交流を通じて、視聴者にも素敵な一時を堪能してもらおうという風な印象を受けました。
アンドロイドと人間の区別をしないというルールを設ける喫茶店・イヴの時間…ここでは、普段ロボット然としているアンドロイド達も人間のように振る舞い、最早アンドロイドと人間の区別が付きません。そんな中で出会う様々な者達…彼らの紡ぎだすショートストーリーはなかなか興味深く見れました。ラストは感動的に描かれていましたし、サミィは可愛いし(笑)、短編ながら満足の出来です。
ただまあ、物語の核となる部分の話が進展してないんですよね。イヴの時間での一時が流れていく中、裏では倫理委員会やら、よーわからん組織の研究者やらが動いているのですが、そこんところが特に解決していません。あと、イヴの時間のルールを作ったナギさん…彼女のバックグラウンドには色々ありそうなのですが、そこも語られなかったので結局不明なままです。
とりあえず、ラストに流れた「THE END?」の「?」部分に期待したいと思います。映画化もされるので、今後がどうなっていくかですね。



主な登場人物と名言(?)

・向坂 リクオ 「お前まで人間の真似すんのかよ!」
 普通の高校生。自宅にはハウスロイドであるサミィがいて日頃からアンドロイドに慣れているのですが、ロボット法には少し無頓着なところもあります。サミィとは一線を引いて接しようとしていますが、イヴの時間での一時を過ごすことによってその接し方に少しずつ変化を見せていきます。

・真崎 マサカズ  「お前はロボット信用しすぎだっつーの」
 リクオの友人。法学部の特待生であり、ロボット三原則にも詳しいです。リクオが心の奥ではアンドロイドを信頼しているのに対し、マサキは何処かドライな部分があってアンドロイドはアンドロイドと割り切っているようなところがあります。興味本位から、リクオと共にイヴの時間に通いますが…

・サミィ 「私はアンドロイドです。人間ではありません」
 リクオの家のハウスロイド。人間の命令に対して従順ですが、その行動記録の中には謎めいた部分もあります。普段は無表情で無機的な立ち振る舞いですが、イブの時間の中ではまた違った姿を見せるのでした。とりあえず…サミィ可愛いよサミィw

・ナギ 「ここはね、皆の心ひとつで成り立つお店」
 イヴの時間のウェイトレス。店内では人間とロボットの区別をしないというルールを作ったのもこの人です。法律にも触れるような行為ですが、このようなルールを作ったのも彼女の過去に何かあったことが原因のようです。まあ、今回はその辺詳しく語られませんでしたけど。



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